畳の将来はどうなるのだろう
昭和の時代なら一家に和室が2間くらいは普通にありました。
平成になってマンションが増えても和室は残っていました。
ただ最近の賃貸マンションや建売住宅のチラシを見ると和室が無い物件が増えています。
もう和室は必要がないのでしょうか?
都会だと和室を確保するほど大きい間取りが取れない事情もあるのかも知れません。
和室は洋室より建築費のコストがかかるという理由もあるでしょう。
和室が減った原因は様々ですが、私が懸念するのは
子育て世代が購入する住宅に和室が無いということは、畳を知らない世代が今後増えて行くということです。
畳の存続に関しては本当に危機的状況にあります。
畳表シェア率
昨年の畳表の供給量は以下の表のようになっています。
実に中国産が70%を占めています。
供給量 | 昨年(2015) |
シェア率 |
中国産(輸入量) |
10,108,000 | 69% |
国産(生産量) |
2,780,000 | 19% |
人工畳表(出荷量) |
1,777,000 | 12% |
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中国産とは
主に浙江省や四川省で生産された畳表にです。
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国産畳表とは
熊本県、福岡県、広島県、岡山県、石川県、高知県などで生産された畳表です。
90%以上が熊本県産になります。 -
人工表とは
樹脂をイ草の見立てて織機で織った畳表や和紙のこより状にした物で畳表をして作った畳表です。
カラーが豊富で緑色以外にピンク色や黒色、黄色などあります。
天然イ草と違ってダニ・カビの原因となる栄養素がありませんのでお手入れが楽という利点があります。
イ草の作付面積
2016年に入って一番驚くのは、中国産の今年の作付面積が70%も減少していることです。
日本の畳表の供給量の70%を占める中国産が70%も作付面積を減らすのです。
作付面積(ヘクタール) |
昨年(2015) | 今年(2016) | 減少率 |
中国 |
4,400 | 1,300 |
70%減 |
熊本県 |
687 | 631 |
8%減 |
普通なら供給不足で農産物であるイ草の相場は暴騰しそうなものです。
それなのに相場はそんなに動いていません。
理由は
いままで栽培しすぎたイ草や生産された畳表が大量に在庫として存在するからです。
何年分あるのかは分かりません。
在庫が消化され畳表が本当に必要になったとき、中国の農家がイ草を栽培してくれるかどうか。
もう生産の必要が無いくらい畳の需要はなくなるのか。
和室は日本の文化ですが、今後は重要文化財的なものなって保護されたりする存在になるでしょうか。
世界遺産とか・・・
日本が西洋化するなら、海外を和風化させるくらいを考えないと畳は生き残れないです。
海外の畳に興味がある人達にもっと発信しなければと思う今日このごろです。