畳店の採寸はかなり細かいです
先日のことですが、納期があまりなく畳のサイズも特殊というか少し大きめの畳を作る現場ありました。
現場には決まった畳店が請け負う予定だったのですが、
その畳店が現場にて採寸をしていみると畳が設計通りに作ることができないような大きさだったので断ったそうです。
畳は本間用の材料をギリギリ端まで使わないとできないサイズでした。
このような畳は、製作可能なのですが手間がかかります。
それを嫌ったのかも知れません。
そこでお客様がウェブサイト見つけていただき弊社にお声がかかったのです。
これは何とか対応したいと思い、弊社の協力してもらっている畳職人さんに採寸に行ってもらいました。
これが畳職人が採寸して書いた図面です
暗号のような寸法が書かれていますね。
はっきり言って普通の人には分からないです。
この寸法図を見て畳店は畳を製作します。
30×大 とか 北8 とか 西 とか
ナンノコッチャ??
でしょ!
実はこの図面の単位は尺貫法で書かれています。
主に使われているのは
尺・寸・分・厘
しゃく・すん・ぶ・りん
です。
尺と厘とか何センチとか分かりませんよね。
ざっくり言うと
- 尺(しゃく) 1尺=303㎜
- 寸(すん) 1寸=30.3㎜
- 分(ぶ) 1分=約3㎜
- 厘(りん) 1厘=約0.3㎜
気づきました?
1厘=約0.3㎜ ってすごくないですか?
1mmの三分の1ですよ。
さすがに使いません。
でも図面上にある ×印は分(ぶ)の半分という意味です。
1.5mmですね。
畳店によっては × のあとに「ツ」とか「ヨ」と記入する場合もあります。
それは寸法的に「ツ」→強め「ヨ」→弱めという意味です。
ただこれは地域によって解釈が逆になってしまう場合があり注意が必要です。
畳職人が自分で採寸して製作する場合には問題ありませんが、採寸した職人と畳を作る職人が違う場合があります。
また、畳店の下請けをする畳店もあるため、採寸方法の癖が畳店ごとに違ったりして製作した畳の寸法が微妙に違ったりします。
なぜ今の時代でもこのような採寸単位なのでしょう?
不思議ですね。
大工さんもこの単位ですね。
昔ながらの家造りだと材料は木です。畳に関しても芯材は藁(わら)です。
材料の質感である程度サイズに融通が効くので尺貫法の方が家造りには良かったのかも知れません。
家造りの未来は
大手ハウスメーカーなどは工場で半分以上作り上げて、トラックで現場に家のパーツを持ってきます。
あとは組み立てるだけ。
このような工場生産だと尺貫法での生産はありえないですよね。
畳に関しても工業製品に近い形になりつつあります。
近い将来、尺貫法で採寸する畳店もいなくなるような気がします。
なんだか寂しいですが。