畳はイ草を編んで作られた天然素材です。湿気を吸い、また放出する「呼吸する床」だからこそ、ちょっとした日々のお手入れで、長くきれいに、心地よく使えます。畳のオーダーメイドを手がける私たちが、お客様にいつもお伝えしている基本をまとめました。
日常の基本のお手入れ
1. 掃除機・ほうきは畳の目に沿って
ホコリや食べこぼしは、ダニやカビのもとです。こまめな掃除がいちばんの予防になります。畳の目(筋)に沿って、ゆっくりかけましょう。目に逆らうとイ草の表面が傷み、ゴミも奥へ押し込んでしまいます。掃除機の回転ブラシはオフにするか、吸引力を「弱」にして使ってください。

2. 拭くときは乾拭きが基本
普段の拭き掃除は、乾いた柔らかい布(綿の雑巾など)で、目に沿ってやさしく拭きます。
3. 水拭きは必要最小限に
畳は水分を吸いやすく、濡れたままだとカビや変色の原因になります。水拭きは月に1回程度で十分です。お湯で濡らして固く絞った布を使い、最後に必ず乾拭きで仕上げてください。
4. カーペットやラグは敷きっぱなしにしない
畳の上を覆うと風通しが悪くなり、湿気がこもってカビやダニが発生しやすくなります。表面の傷みにもつながります。
5. 換気と湿度管理
カビは梅雨だけでなく、湿気が続けばいつでも生えます。晴れた日は窓を開けて空気を入れ替え、必要に応じて除湿機やエアコンのドライ機能を使いましょう。

6. 重い家具は板を敷いて
ピアノや脚の細い机など、重いものを置くときは、畳に直接置かず下に板を敷きます。へこみや傷みを防げます。
やってはいけないこと
重曹は使わない
重曹を使うと畳が黄色く変色します。掃除や消臭には使わないでください。
カビ・ダニが出やすくなる習慣
- 窓を長時間閉め切る
- 加湿器を使いすぎる
- 部屋干しをする
- 家具を壁にぴったりつけて置く
- カーペットやラグを敷きっぱなしにする
シミの原因になるもの
- ジュース、ビール、お酒、お茶、花瓶の水などをこぼす
- 冷たい缶やペットボトルを畳に直接置く(結露のため)
- 濡れたタオルや汗をかいた衣類を置いたままにする
- こぼした液体を放置する
トラブル別の対処法
液体をこぼしたとき(お茶・醤油など)
すぐに乾いた布やティッシュで、こすらず押さえて水分を吸い取ります。醤油などは、小麦粉や塩を振りかけて水分を吸い出させ、あとで掃除機で吸い取る方法も有効です。ビール・お酒・お茶のような飲み物は、ドライヤーの温風を軽く当てると、シミが定着しにくくなります。

カビが生えてしまったとき
- 晴れた日に窓を開けて換気し、部屋を十分に乾燥させます(除湿機やエアコンのドライ機能も有効です)。
- 消毒用エタノールを布や古い歯ブラシに含ませ、畳の目に沿ってやさしくカビを拭き取ります。
- 最後にしっかり乾燥させます。
カビを掃除機で吸うと、胞子が部屋に舞うため避けてください。
ダニが出てしまったとき
- 部屋を1時間ほど暗くします(ダニは暗い場所で活動します)。
- ゆっくり丁寧に、何度か掃除機をかけます。
- しっかり換気し、その後もこまめに掃除を続けます。
家具でへこんでしまったとき
へこみの上に、お湯で濡らして固く絞ったタオルを置き、スチームアイロンを当てます。水分が蒸発するとイ草がふくらんで戻ります。そのあと、ドライヤーの冷風でしっかり乾かし、水分が残らないよう乾拭きしてください。
イ草が切れてささくれたとき
飛び出したイ草は引っ張らず、ハサミで根元から切ります。それ以上ほつれないよう、薄めた木工用ボンドを綿棒で少量つけておくと補修できます。
焼け焦げを作ってしまったとき
畳店にご相談ください。縁から離れた親指大ほどまでの小さな焦げなら、焦げたイ草を丁寧に抜き取って、目立たなくできる場合があります。
