【天然イ草の畳表の種類】
もともとは麻糸を経糸にした畳表が主流でしたが、現在では綿糸の畳表や麻と綿を両方使う畳表など様々です。
産地にしても、国産だけでなく中国産もあります。
畳表の国産生産が年々減少し、産地が中国へ移っていきました。
国内で消費される天然イ草の畳表に関しては、70%以上が中国産の畳表ではないでしょうか。
それほど国産の畳表は減少しています。
その中国産の畳表に関しても、現在減少傾向にあります。
理由としては、畳表を生産していた地域が中国経済の発展とともに都市化し、低賃金での労働力を集めることが難しくなったことと、公害問題です。
畳表を生産する工場では、泥ぼこりが多く、労働者の肺の病気の原因になる恐れがあります。そのような環境の職場を選ばずとも、空調施設の整った縫製工場や都会に打稼ぎに出なくとも地方で働く場所が多くなり人集めが大変になっています。
また、畳表の工場では、畳表を乾燥させるために石炭を多く使用します。環境問題が注目される中で工場の存続が難しくなり廃業する工場も増えました。
【主な畳表の種類】
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麻綿W
135cm以上のイグサを使い麻糸と綿糸の両方を使用し、イ草の本数を多く織ることができます。
イ草の本数を多く織ることで畳表の厚みがあり、耐久性があります。長いイ草の真ん中で身のある部分のみを使用することが多く、高級品の畳表に仕上がります。変色したイグサの混入がなく、畳表全面の色調が美しいです。お座敷、客間にむいています。 -
太麻
120cm以上の長さのイグサを使い、麻糸で織り上げています。注文住宅など一般的な畳に使われます。麻糸も強度がありますので、イ草の本数を多く織ることができます。
耐久性がありますので、お寺や茶の間など人の出入りが多い場所にも多く使われます。 -
糸引
110cm以上の長さのイグサを使い綿糸で織り上げています。分譲マンションから建売住宅などに多く使用される畳表です。
普及品は97cm以上のイグサを使い、綿糸で織り上げています。安価ですが、耐久性に劣り、色調もバラつきができます。
賃貸アパートなど頻繁に表替えをする畳などにむいています。
糸引の上級品もあります。上級品は畳目が美しく、あえて高級住宅に好んで使用する畳店もあります。 -
目積
近年流行っていヘリ無し畳に使われる畳表です。
通常の畳目より狭い目で、ヘリ無し畳を製作するときに角を曲げやすくなっています。
経糸は、綿糸と麻糸の両方があります。
綿糸の目積は、主にマンションや建売住宅、麻糸の目積は注文住宅など高級住宅に使われます。 -
七島イ
昭和の時代の柔道場の畳や商売している店先の畳に多く使われていたイ草です。
通常のイ草より耐久性が強いのが特徴です。
ただあまりに硬いので、ストッキングなどを引っ掛けてしまうことがあります。
畳表に使用するイ草の長さ
【畳表の種類】
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